『荘厳の聖母(マエスタ) 』世界の名画と共に観る服たち -ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ-

今回は絵画そのものというより歴史を遡りながらみる ”ピンク”の意義についてという方が適切かも。 

 

ピンク色は古代から芸術にも登場していた色。

 

古代ギリシアの詩人ホメロス作、紀元前8世紀末の英雄叙事詩「オデュッセイア」ないで幾度も

”夜明け”のことを

「朝のまだきに生れ指バラ色の曙の女神が姿を現す」

表現している

 

※ストーリーから見るとバラとは聖母マリアのことだったりと諸説ありますが

指バラ色というのは、ラテン語の"Roseus”のことで、

当時ピンクというカラーネームが未だ無かった時のピンク色や赤をさす。

 

 

 

13世紀イタリアの画家・ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャが描く『荘厳の聖母(マエスタ)』

聖母マリアに抱かれた幼子イエスは、ピンクの衣を纏っている。

ルネサンス期では、生き生きした人間らしい絵が好まれピンクは血色が良い肌とし、転じて「聖母マリアとキリストの精神的な結びつき」を象徴したり、

結婚"mariage"を意味するという説もあるとか

 

 

 

 

 

そして

 

 

「ピンク」という言葉が一般的になったのは17世紀。

ピンクが最も流行っていたのは、18世紀のロココ調の時代、

 

 

「ヴェルサイユの無冠の女王」と言われたファッションリーダー、ポンパドール公爵夫人はパステルピンクを好んで着ていたそう。

 

その後

これまで高貴な身分の者しか使えなかった高価な染料であるピンクは

化学染料が発明された19世紀に安価で生産できるようになり、「男の子・女の子」と性別問わず着せられていた。

そしてピンク色は小さくて華奢で可愛い子どもの色というイメージに変わっていく。

余談

18世紀後期までは「子ども」固有の服装が考案されていなく

19世紀末頃からやっと、子どもが「子ども」として理解される時代になったとか。当時の子ども服、女性服と同様、とくに女児には着飾った衣装が多かったようだが、子どもや女性は富を持つ男性の見せびらかし消費のための客体だったそう。(今もたいして変わらない部分ありますね)

「かわいらしさは子どもがつくったものではなかった」上に子供の扱いというのは時代で変わるものだな、

個人的に、

母として、女性として、元子どもとしても、心に迫るものがあります。

 

 

 

新しいピンク色

「ショッキング・ピンク」

個性的なモード界のシュルレアリストである、イタリアのファッションデザイナー、エルザ・スキャパレッリの作品。

1930〜40年代同年に

シャネルと共にパリのオートクチュール界の女帝として活躍していた。

 

 

彼女はマゼンタに少量の白色を足した「ショッキング・ピンク」という色を

発明した。「ピンクは可憐、可愛い、子どもらしいもの」という概念を覆し、「ビビッドで大胆な大人のピンク」を作り上げた、

 

 

こうしてピンク色は

時代や社会背景によりその色の意義を変えられている。

 

ピンク色は、トーンにより可愛くて、華やか、強さも感じ、幸福な気分にさせてくれる色でもあり、私はとても大好き。

それと同時に社会的に認知された

「ピンク=女性的、子どもらしい・可愛い・セクシー」など、

裏返すと「無知・隷属」に繋がる、イメージにも、身を委ねることにもなりかねない。

これは、子どもと女性の扱いが、男性の見せびらかし消費のための客体だったりと、性差への理解の浅さでもあり、繁栄発展の影の部分でもあると思う。

 

 

少し話は戻り、

ひたすら女性が女性らしく、優雅で華麗、優美で繊細な様式であるロココ様式のファッションの時代に生きたポンパドール公爵夫人は徹底的に英才教育を受けセンスと教養と美貌を兼ね備えていた。

市民出身でありながら、のちにルイ15世の寵愛を受けていたけど

ルイ15世は政治に興味がなく

彼女はブルボン王朝を滅ぼすフランス革命の原因をつくってしまうほどに

一番、政治に権力と影響力を持っていたとか。

 

 

 

歴史上で発展していくピンク色についての文脈は

現代でもフェミニズムの象徴として女性による「社会への抵抗」や

女性の社会地位向上活動のテーマカラーに使用されたり、

 

無意識のジェンダーバイアスに対し、

男性も意義を唱えあえて、ピンク色をファッション等に選択するという

既存のイデオロギーを壊し、カラーのイメージを

逆手に使った価値観創造の場面も少なからず見受けられる。

 

歴史を振り返ってみれば

それぞれの時代概念の移り変わりというのは

100年スパンでとてつも長く

元来の生身の人間の一生では完結ができそうにないが

確かに私たちはその中に、今生きている。

 

ただの可愛いピンク色から、

ここまで社会や歴史、ファッション、思想、宗教概念までもが見えるものです。

 

なんだかんだ、人間って何かに
意味をつけたり、歴史を読み解いてみたりする娯楽を
思い出せる、ピンクの話。

 

 

 

XICESのオリジナル商品には、

モチーフやデザイン自体に理由もありますが、

ピンク色への隠れた意義も持たせていました。

イマだからできる、性別に囚われないスタイルの提案。

 

メンズアイテム(ユニセックス)の

LUCY LIPS(旧ロゴICES)のくちびるのカラーにベビーピンクを使ったソックスとポケットTシャツ。

Men’s ALL ITEM

 

 

レディースアイテムのスウェットセットアップには

フューシャピンクを使ってみました。

Women’s Lucy Lips Sweat Hoodie

 

 

Written by 代表/デザイナー 星子

Instagram @seicoxing

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